ホームサービス案内 > 遺産分割協議書

遺産分割協議書

 

 

遺産分割協議書

遺産相続とは、遺産を相続人で分けることです。遺言書がある場合にはそれによりますが、遺言書がない場合には、相続人全員で遺産の分割について協議をし、分割協議が成立した場合には、遺産分割協議書を作成します。

相続・贈与にかかる民法改正

2018年7月に民法が改正され相続・贈与に関する制度が一部変わります。

長期間婚姻している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等を保護するための施策(2019年7月1日以降)

婚姻期間が20年以上である配偶者の一方が他方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地(居住用不動産)を遺贈又は贈与した場合については、原則として、計算上遺産の先渡し(特別受益)を受けたものとして取り扱わなくてよいことなります。

法務省資料 長期間婚姻している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等について(PDF)

相続された預貯金債権の払戻しを認める制度(2019年7月1日以降)

預貯金が遺産分割の対象となる場合に、各相続人は、遺産分割が終わる前でも、一定の範囲で預貯金の払戻しを受けることができるようになります。

 法務省資料 遺産分割前の払戻し制度について(PDF)

相続開始後の共同相続人による財産処分(2019年7月1日以降)

相続開始後に共同相続人の一人が遺産に属する財産を処分した場合に、計算上生ずる不公平を是正することができるようになります。

 法務省資料 相続開始後の共同相続人による財産処分について(PDF)

遺留分制度の見直し(2019年7月1日以降)

不動産等の分けられないものが遺留分減殺の対象となった場合、当該権利を金銭債権化し、かつ、受遺者等の請求により、裁判所が、金銭債務の支払につき相当の期限を許与することができるようになります。

 法務省資料 遺留分制度の見直し(PDF)

配偶者居住権の創設(2020年4月1日以降)

  1. 配偶者短期居住権
    配偶者は、相続開始時に被相続人の建物(居住建物)に無償で住んでいた場合には、居住建物を無償で使用する権利を取得します。
     法務省資料 配偶者短期居住権について(PDF)

  2. 配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物を対象として、終身又は一定期間、配偶者に建物の使用を認めることを内容とする法定の権利が新設されます。
     法務省資料 配偶者居住権について(PDF)

遺産分割協議の方法

遺産分割の方法は、大きく分けて4つあります。

  1. 遺言による分割
    遺言等で遺産の分割が指定されていれば、遺言執行者が遺産の分割を実行します。
  2. 協議による分割
    遺産分割協議書を作成します。
  3. 調停による分割
    遺産の分割について相続人の間で話合いがつかない場合、家庭裁判所の遺産分割の調停又は審判の手続を利用することができます。
  4. 審判による分割
    調停が不成立として終了した場合、家庭裁判所が引き続き審判手続で必要な審理を行った上、審判によって結論が示されます。

遺産分割協議書の書式

遺産分割協議書の書式は特に定まっているわけではありませんが、以下を記載します。

  1. 被相続人の本籍、最後の住民票の住所、氏名
  2. 各相続人の取得する財産および継承する債務
  3. 代償分割(ある相続人が遺産を取得する代わりに別の相続人に金銭を支払う)がある場合は、代償金額と支払期限
  4. 本協議書に記載のない遺産および後日判明した遺産の取り扱い
  5. 作成日
  6. 相続人全員の住所、署名・押印
    なお、相続人が未成年者の場合は特別代理人が署名・押印します。
  7. その他必要な事項

遺産分割の種類

遺産分割の種類

遺産分割の種類には、以下の種類があります。

  1. 現物分割
    遺産をそのままの形で相続分に応じて分割する方法です。
    例えば「土地と家屋は妻に、株式は長男に」というように、特定の財産を特定の相続人が相続する方法や、一筆の土地を各相続人の相続分に応じて分筆する方法です。
  2. 換価分割
    遺産の性質が現物分割を行うことが難しい場合に、一部又は全部を売却することで金銭に換え、その金銭を相続分に応じて配分する方法です。
  3. 代償分割
    遺産の全部または一部を現物で相続人中の1人又は一部の者に取得させ、その代わりに、他の相続人に不足分を代償金として支払うという方法です。
  4. 共有分割
    共有分割とは、各相続人の持分を決めて共有で分割する方法です。
    例えば「一筆の土地を妻と長男が2分の1ずつ相続する」というように、それぞれの相続分に応じた登記を行い共有する方法です。

遺産分割が行われていないときの申告

相続税の申告・納付期限までに遺産分割ができない場合は、民法に規定する相続分で相続財産を取得したものとして相続税の申告・納付をします。その後、分割が決まり次第あらためて申告します。

この場合には、以下の適用が受けられない点に注意が必要です。

  1. 小規模宅地等の課税価格の特例が受けられない
  2. 配偶者の税額軽減の特例が受けられない
  3. 物納できない
  4. 農地の納税猶予の特例の適用が受けられない

ただし、上記「1」と「2」は、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出しておくことにより、相続税の申告期限から3年以内に分割された場合には、特例の適用を受けることができます。この場合、分割が行われた日の翌日から4か月以内に「更正の請求」を行うことができます。